自社の決算書ここを見ろで皆さんに知っていただきたいことは、損益計算書で利益が出ていても、キャッシュが足りないことがあるということです。
ブログにも何度か、黒字倒産というキーワードを上げていますが、黒字倒産を引き起こす原因はただ一つ、貸借対照表を見ていないということで、逆に言うと貸借対照表もしっかり見ていれば、黒字倒産は避けられるということです。
黒字倒産は避けられるはずなのに、倒産する企業の約半数が黒字倒産というのが実情です。
大抵の場合、自分の会社が黒字で倒産するなんて誰も想像していません。
利益が出ているなら、当然、お金も同じように手元にあるはずだと思っているからです。
しかし、どの企業にも黒字倒産の可能性があり、その要因の一つが掛け取引です。
掛け取引は便利な反面、貸借対照表の数字管理を行わないと大変な目に遭います。
また、昔は支払日に現金で支払っていたので、「お金が出ていく・お金が入ってくる」という感覚を自然と感じることが出来ましたが、銀行振り込みやインターネットバンキングの普及により、お金を直接触る機会が減り「お金が出ていく・お金が入ってくる」という感覚を感じることが無くなっています。
今まで貸借対照表に注目していなかったのであれば、まず、短期的な支払能力があるのか、長期的な支払能力があるのかを見てください。
黒字倒産は、支払に対してキャッシュが足りず支払日に突然、倒産してしまうことです。
支払いが出来るかどうかを見るには、自社の短期的な支払能力と長期的な支払能力を知っておく必要があります。
最低限この部分を継続的に見ておけば、近い将来「危ないかもしれない!」ということに気づくことが出来ます。
貸借対照表を活用し「短期的な支払能力・長期的な支払能力」を見るのと並行して、「資金繰り表」を作成することが黒字倒産を起こさない最低限の絶対条件です。
「自社の決算書こころ見ろ」シリーズでは、これまでに「自己資本比率」「借入金依存度」「現預金比率」について説明してきましたが、この他に「流動比率・当座比率・固定比率・固定長期適合率・負債比率」があります。
少しづつですが、皆さんにもわかりやすいように説明していきたいと考えています。
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