諦めも肝心

どんな経営者も売上を上げたいと思うのが当然ですが、売上には限界値があります。

 

具体的な限界値の金額は会社によって違いますが、自社の限界値を考えたことはありますか?

 

売上の限界値とは、設備能力と労働能力の量により変わります。

 

例えば、機械1台と従業員2人で1時間に100個のお弁当が作れる場合、1日8時間稼働を考えたら1日800個のお弁当が作れることになる。

 

このお弁当を1個600円で販売した場合の1日の売上

800個×600円=480,000円

1か月20日営業しているのであれば1か月の売上

480,000円×20日=9,600,000円

1年の売り上げは

9,600,000×12ヶ月=115,200,000円

 

機械1台と従業員2人で獲得できる売上の限界値は115,200,000円ということになります。

 

ロスや廃棄、完売しないことなどを考えると、こう単純な計算にはなりませんが、自社の売上の限界値を求めることはさほど難しくありません。

 

機械の生産能力と労働の生産能力を把握することで、売上の限界値を算出することは可能です。

 

 

 

これ以上に売上を上げたいと思うなら、単純に設備と労働力を増加させることになります。

 

しかし、資金調達が難しい状況で設備と労働力に投資をすることは可能でしょうか?

 

大手企業に比べて資金調達能力が低い中小零細企業にとって、売上を上げるための投資も容易ではありません。

 

そう考えた時、必ずしも今以上の売上を上げる必要があるのでしょうか?

 

売上を上げるための投資をするには借金をする必要があり、借金をすれば今まで以上に現金の流出が増え、利息という経費も増えることになります。

 

そう考えた時、逆に今の売上を上げなくても良いという判断をしてもいいのではないでしょうか。

 

ただし、だからと言って何もしないのではなく、限りある設備と労働力でどれだけ利益が出せるかという考えて、技術力の向上、業務効率の改善、経営効率の改善、組織運営効率の改善を行うことで、お金を掛けることなく今の生産能力で今以上の利益を出すことが可能になります。

 

 

 

必ずしも売上を上げるだけが全てではなくもっとシンプルに経営を考えてみられてはどうでしょうか。

 

人口は減少傾向にあるので、今まで同じ量が売れるはずがありません。

 

投資するお金は最小限に、今あるモノをどれだけ有効活用し利益を獲得するのかを考えると、違ったものが見えてくるのではないでしょうか。