国際的な水準を表す4つの言葉、日本は今どのポジションにいるのか

学校の授業で先進国、新興国、発展途上国、後進国という言葉を一度は聞いたことがあると思いますが、それぞれの言葉が示す意味を今でも覚えていますか?

 

 

先進国

政治や経済、文化などが国際的な水準から見て進んでいる国といった意味の言葉で、特に経済面での発展が著しい国のことを言います。
明確な定義があるわけではありませんが、一般的には「OECD(経済協力開発機構)」に加盟する国々を指すことが多く、1人あたりGDPが1万ドルを超えると先進国と呼ばれるのが通常です。
先進国は、工業や経済が発展して多くのモノを生み出せる国を指すようになっています。

 

新興国

一般的には、投資や貿易が活発になり、急速な経済成長を遂げようとしている国を指し、先進国ではないものの経済発展の著しい国を言います。
新興国は十分な発展はしてないものの、経済成長の目覚ましい国を指す点が先進国との違いになります。

 

発展途上国

経済的な発展が相対的に後れている国という意味の言葉で、開発途上国や途上国などとも呼ばれます。
先進国とは違い、人口1人あたりの所得水準が低く、第1次産業の比重が高いなどの特徴があります。
具体的には、アジアやアフリカ、ラテンアメリカなどの「DAC(開発援助委員会)」の援助対象になっている国々を指して使われます。

 

後進国

産業や経済の面で、他よりも発達が遅れている国という意味の言葉で、発展の進行が遅れているという意味で、後進の語が当てられています。
後進国と発展途上国に意味の違いはありませんが、後進国という言葉は現在ほとんど使われていないと言った違いがあります。

 

 

今の日本のどの言葉に該当する国なのでしょうか?
日本の現状は、

  • 21年間の昇給率はわずか0.4%

  • 平均年収はOECD平均以下

  • 名目GDPは世界第3位だが、第2位の中国は日本の4倍以上

  • GDP成長率は1990年ごろから停滞が続き、2019年で2倍強といった低成長

※因みにこの40年ほどで、カナダや米国は約7倍、イタリアが約8倍、フランスが約5倍で、低成長のドイツでも4倍近くGDPが増大しており、中国や韓国は米国やカナダと比べものにならない成長をしています。

OECDの加盟国であり、GDP世界第3位である日本は先進国のはず。
しかし日本は「経済面での発展が著しい国」なのでしょうか?
これには大きな疑問が残ります。

 

 

ビジネス目的で日本に訪れる方は今、日本を市場にビジネスをする視点ではなく、日本を起点に世界でビジネスをするという視点で訪れています。
その理由は、治安が良く、インフラが整っており、物価が安く、安い賃金で人を雇えるからです。
これが日本経済の現実です。

この現実を良しと思うかどうかはそれぞれの考え方しだいですが、日本が発展途上国と言われる時代はそう遠くはないと考えています。

日本が経済成長を遂げられたのは、日本人の気質である勤勉さにより研ぎ澄まされた技術力や開発力です。
AIやIOTの活用は必要でしょう、しかし、他国と同じように活用していても何もかわりません。
それと同じようにこれまでに培った技術力や開発力を後世に受け継ぎ、発展させることが日本経済の復活に繋がると考えています。